Q:坐骨神経痛の症状がある日もあればない日もありますが、特に病院に行く必要はないでしょうか?
A: 坐骨神経痛のような神経症状が出ている時点で、当院では重症とみなしています。交通事故や転倒などの強い衝撃がない限り、急に神経症状が出ることは考えにくいからです。日常生活動作、身体の使い方、年齢、姿勢、普段履いている靴や過去の怪我などが坐骨神経痛の原因になります。これらの「悪い習慣の積み重ね」が現在の症状を引き起こしています。
神経症状に限らず、腰や股関節、膝関節の痛みもすべて原因があり、それが症状として現れています。その原因をしっかりと評価し、治療しない限り、症状は改善しません。痛みやしびれなどの神経症状がある状態で日常生活を送ると、症状が悪化する可能性が高くなります。当院でなくても、しっかりと原因を特定できる医療機関で一度診てもらうことをお勧めします。
Q:坐骨神経痛が起きる理由ってなんですか?
A:坐骨神経痛は、様々な理由で起きます。腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症・腰椎すべり症・脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などから、腰やお尻から足にかけてしびれや痛みがでることがあります。この原因は、整形外科などでレントゲンやMRI検査をしないとわかりません。3カ月以上マッサージや整体を受けているけど、良くならない場合は一度検査を受けてみることをお勧めします。
Q:お尻から太もも、ふくらはぎに痺れがありますが、YouTubeで見つけた「坐骨神経痛向けのストレッチや体操」を実践しても良いでしょうか?
A: 最近ではYouTubeやインターネットで多くのストレッチやエクササイズが紹介されています。しかし、万人に効果があるとは限りません。痺れに対するストレッチやエクササイズについてですが、重要なのはなぜその症状が出ているのか、なぜ痺れがあるのかを特定することです。原因を特定せずに一般的に良いとされるストレッチやエクササイズを実践しても、症状が良くなるどころか悪化することもあります。そのため、当院ではネットで見たストレッチやエクササイズの実践することをお勧めしません。神経自体、引っ張る刺激や捻る事にとても弱いです。下肢に痺れがある状態でストレッチをかけるのは逆に効果がありません。それよりも姿勢や歩行、日常生活動作を評価し、正しい施術、その方にあったセルフケア、エクササイズを実践することが重要です。当院では来院していただき、検査を行った上で、必要なセルフケアやエクササイズをお伝えしています。
Q:痺れや腰痛があっても歩いた方が良いと言われますが、本当ですか?
A: 神経症状や腰痛がある場合でも、無理のない範囲で歩くことは骨盤の動きを促す上で良いことです。しかし、痺れが強く現れている時に無理をして歩くのはよくありません。初めは自宅の周りを5分程度歩くことから始めましょう。杖やシルバーカーを使っても構いません。当院ではスキーの際に使用するノルディックを使っての歩行をお勧めしています。転倒防止と骨盤の動きのトレーニングになります。また、歩く時に履いている靴もとても重要になります。当院では正しい靴の選び方や靴紐の通し方をお伝えしています。神経症状がある方には、まずサンダルを避け、サイズのあった靴を履くことをお勧めしています。
Q:10年以上前の足の捻挫や靭帯損傷が今回の坐骨神経痛の原因になりますか?
A: もちろん関係してきます。足首の捻挫や膝の靭帯損傷の既往はもちろん、手首の骨折や肩の靭帯損傷など、痺れや他の症状がある部位から離れた過去の怪我も現在の症状の間接的な原因になることがあります。過去の怪我後にリハビリや可動域訓練を十分に受けずに日常生活やスポーツに復帰しているため、身体の使い方や動き方が怪我の前と異なってしまうことがあります。例えば、手首の骨折は歩行時の腕の振りに影響を与えます。足首の捻挫はバランス機能に影響を与え、完全に治るまでには約1年かかります。多くの人が、痛みがなくなったと感じるとすぐにスポーツや活動に復帰してしまいますが、これが後の坐骨神経痛などの原因になることがあります。当院にもそのような方が多く来院しています。症状の原因は歩行フォームの乱れによることが多いです。
Q:お尻や足の痺れはすべて坐骨神経痛によるものでしょうか?
A: 臀部や足の痺れをすべて坐骨神経痛と一括りにするのは間違いです。痺れの原因がどこにあるかによって異なります。例えば、臀部の筋肉が加齢などで下に垂れると、腰神経叢から出ている上臀皮神経が引っ張られ、腸骨に当たって坐骨神経痛のように臀部に痺れが生じることもあります。この場合、坐骨神経痛として治療しても効果が出にくいです。プロのセラピストとして、どの神経が圧迫や牽引されて症状が出ているのかを評価することがとても大切です。当院では、あなたの症状と身体の評価をしっかりと行います。