あっ!? ちょっとこれまずいかも… 筋でも痛めたかな…
肩が気になってこの記事をご覧になっている皆さん。
あなたの肩の痛みは「上腕二頭筋長頭腱損傷」と呼ばれる運動器疾患で、単純に硬くなって いるだけでは無いかもしれませんよ?
そもそも上腕二頭筋長頭腱損傷って?
医学的に上腕二頭筋長頭腱損傷とは 「肩から肘に向かって付着する上腕二頭筋長頭腱が、外傷/スポーツ/重量物挙上で肩前面の 腱が断裂する運動器疾患」
と定義されています。
上腕二頭筋腱は、小結節(骨の出っ張り)と摩擦してストレスがかかりやすいのに加え、40 歳を越えると腱が変性して切れやすくなるので痛めやすいのが難点ですね。
※上腕二頭筋 上腕二頭筋長頭腱はこんな感じ。
・小結節と腱の摩擦ストレスで損傷(外転外旋運動の繰り返し)
・重いものを持った時に損傷 ・上腕二頭筋が急に伸ばされて損傷
・40 歳以上は発症リスク増加 といった特徴があります。
簡単にまとめると 「骨と腱が摩擦ストレスに耐え切れなくて腱が切れちゃう」 です。
上腕二頭筋長頭腱損傷は 2 種類あります。
① 結節間溝で断裂
・40 代以降に多い
・発生頻度が高い
・腱の退行性変性を伴う
・腱板損傷を合併することも
② 筋腱移行部で断裂
・若い人に多い
・重量物の挙上がきっかけになる 完全に断裂すると…
・断裂音と共に激痛
・腫れて内出血が出る
・力こぶの位置が健側と変わる
大丈夫です。適切な治療を行えばしっかり良くなります。
まずは下の図をご覧ください。
一般的に行われる上腕二頭筋長頭腱損傷の治療は
・痛い場所をマッサージ
・肩に電気をかける
など、手技療法や物理療法によるものが主流です。
つくし鍼灸整骨院にご来院いただいている方からも、上記のような治療を頑張って続けられてきたと声を耳にすることは少なくありません。
そのため、つくし鍼灸整骨院では
・問診~運動検査による損傷度合いの把握
・肩関節のみに留まらず、胸椎や骨盤も合わせた関節治療
・再発防止トレーニング
・シューズフィッティングやインソール処方 など、総合的に腱板損傷の治療を行います。
ただし!完全に断裂した場合や、肉体労働者、スポーツ選手などは手術適応となるケースが ありますので注意が必要です。
話が長くなりましたが、治療で 1 番大切なのは・・・ 肩に限らず運動器疾患の治療で 1 番大切なのは、施術を受ける事ではありません。 運動器疾患改善には、運動療法を続けることが何よりも優先することです。
なぜ運動療法が大切なのでしょうか?
答えは、数ある治療法の中で運動療法だけが体の良い習慣を取り戻せる唯一の方法だから です。 体には習慣が 2 つあります。
① 良い習慣
② 悪い習慣
① の様な良い習慣はマッサージを受けても電気をかけても身に付くものではありません。
仮に手術をしても術後のリハビリをしっかり頑張らないとまた膝が悪くなります。 なので体操ストレッチ、筋トレと呼ばれる運動療法は痛みの改善に効果的な手段になるの です。
あなたの上腕二頭筋長頭腱損傷がどのステージかによって治療法は大きく変わります。
一度落ち着いて色んな方面からの治療を考えてみましょう。
私の肩はつくし鍼灸整骨院に行ってもいいのかしら…
肩の骨や関節に心配がある場合は、整形外科でレントゲン検査をしてみてください。 もし、レントゲン検査をして骨や関節に異常がなかった場合、肩の痛みの原因は、それ以外 の所に原因があります。
骨や関節に問題がなければ、関節の動きをよくする施術や運動療法で、あなたの肩の痛みが 改善する可能性が大幅にアップします。 重篤な内科疾患が隠れている場合もあるので、我慢して放置してもいいことはありません よ。 長く付き合うお体なのでしっかり治療して健康に過ごしましょうね。
コラム監修・執筆者
合同会社Rerise
つくし鍼灸整骨院
代表取締役 東 智博
厚生労働大臣認定 柔道整復師 鍼灸師 専科教員
経歴:墨田区内整骨院勤務14年
2019年7月 つくし鍼灸整骨院を開院
参考文献
肩関節屈曲初期時の代償動作への運動療法と肩甲骨アラインメントの重要性 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/6/0/6_0_137/_article/-char/ja
腱板機能強化の再考 腱板による骨頭の押さえ込み作用について https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_0327/_article/-char/ja
若年者に起きた投球動作による上腕二頭筋長頭腱皮下断裂の 1 例 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/39/2/39_2_526/_article/- char/ja