※この記事では「四十肩/五十肩」=凍結肩と定義してお話します。
「四十肩/五十肩」についてくわしく知りたい方はこちらをチェック。
そもそも凍結肩って?
医学的に凍結肩とは
「肩関節を構成する軟部組織(関節包、滑膜、腱板など)に何らかの変化が生じ、それにた いして生体が防御反応を起こし拘縮が引き起こされる運動器疾患」
と定義されています
とは言うものの、発生機序や病態などが未だ解明されず研究段階にあるのも事実です。
1 説では「拘縮の要因として、腱板の筋細胞が筋線維芽細胞に置換されている」なんて報告 もあるみたいですが。
凍結肩の特徴は
・男性:女性=1:2 ・40 歳~70 歳代
・非利き手側に好発 ・糖尿病患者の発症率 2~4 倍
・インスリン異常患者の発症率 6 倍
といった特徴があります。
簡単にまとめると 「40 歳を越えた女性に多く内科疾患があると発症リスクが上がる」
です。
凍結肩には 3 つのステージがあるって知ってました?
① ステージ1 炎症期
② ステージ2 拘縮期
③ ステージ3 回復期
このステージは、途中からの発症や順番の逆転、ステージを飛ばした進行などはありえません。
① ステージ1 炎症期 (3 週間~9 ヶ月)
・激しい痛み ・痛くなった原因が無い
・最初は違和感からスタート
・無理に動かして症状が悪化する
・夜間痛が出現
・3 週間~9カ月続くこともあるが、適切な治療と安静により 3 週間程度で軽減する場 合もある
・炎症と激痛のコントロールが最も重要な時期
② ステージ2 拘縮期
・安静にすると痛みが落ち着きやすい
・極力動かさないようにするので拘縮が起きるが、これは避けては通れない
・著明な可動域制限で日常生活に支障が出る
・3~12カ月続く
・治療と体操ストレッチを合わせたリハビリを積極的に開始する時期
③ ステージ3 回復期
・肩を動かすと痛い
・屈曲は出来るが、外転や内外旋の可動域制限が残る
・首肩こりがひどく出る ・軟部組織の癒着が激しいため無理に動かさない
・3~10カ月
大丈夫です。適切な治療を行えばしっかり良くなりますよ。
まずは下の図をご覧ください。
一般的に整体や整骨院で行われる凍結肩の治療は
・痛い場所をマッサージ
・肩に電気をかける など、手技療法や物理療法によるものが主流です。
つくし鍼灸整骨院にご来院いただいている方からも、上記のような治療を頑張って続けれれてきたと声を耳にすることは少なくありません。
そのため、つくし鍼灸整骨院では
・問診~運動検査によるステージの把握
・肩関節のみに留まらず、胸椎や骨盤も合わせた関節治療 ・再発防止トレーニング
・シューズフィッティングやインソール処方 など、総合的に凍結肩の治療を行います。
話が長くなりましたが、治療で 1 番大切なのは・・・
肩に限らず運動器疾患の治療で 1 番大切なのは、施術を受ける事ではありません。
運動器疾患改善には、運動療法を続けることが何よりも優先することです。
なぜ運動療法が大切なのでしょうか? 答えは、数ある治療法の中で運動療法だけが体の良い習慣を取り戻せる唯一の方法だから です。 体には習慣が 2 つあります。 ① 良い習慣 ② 悪い習慣 ① の様な良い習慣はマッサージを受けても電気をかけても身に付くものではありません。 仮に手術をしても術後のリハビリをしっかり頑張らないとまた膝が悪くなります。 なので体操ストレッチ、筋トレと呼ばれる運動療法は痛みの改善に効果的な手段になるの です。 あなたの凍結肩がどのステージかによって治療法は大きく変わります。 一度落ち着いて色んな方面からの治療を考えてみましょう。 私の肩はつくし鍼灸整骨院に行ってもいいのかしら… 肩の骨や関節に心配がある場合は、整形外科でレントゲン検査をしてみてください。 もし、レントゲン検査をして骨や関節に異常がなかった場合、肩の痛みの原因は、それ以外 の所に原因があります。 骨や関節に問題がなければ、関節の動きをよくする施術や運動療法で、あなたの肩の痛みが 改善する可能性が大幅にアップします。 重篤な内科疾患が隠れている場合もあるので、我慢して放置してもいいことはありません よ。 長く付き合うお体なのでしっかり治療して健康に過ごしましょうね。
コラム監修・執筆者
合同会社 Rerise
つくし鍼灸整骨院
代表取締役 東 智博
厚生労働大臣認定 柔道整復師 鍼灸師 専科教員
経歴
墨田区内整骨院勤務14年
2019年7月 台東区北上野につくし鍼灸整骨院を開院
参考文献
凍結肩患者における破局的思考と罹病期間が中枢性感作に及ぼす影響 https://www.jstage.jst.go.jp/article/katakansetsu/46/2/46_405/_article/-char/ja
肩関節周囲炎の臨床 - 現状と課題 -
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/46/2/46_17/_article/-char/ja
凍結肩患者の腱板評価 ∼ 一次性拘縮肩 351 例の検討 ∼ https://www.jstage.jst.go.jp/article/katakansetsu/38/2/38_671/_article/-char/ja