歩く時、身体が傾いてるよと言われた経験がありませんか？

特徴的な歩き方をしている方は大勢いらっしゃいますが、今回はその中でも「先天性股関節脱臼」が関係するモノをご紹介します。

そもそも先天性股関節脱臼って？

※画像引用

https://www.joa.or.jp/
public/sick/condition/congenital_hip_dislocation.html

先天性股関節脱臼（正式名：発育性股関節形成不全）

・乳児検診で脱臼や開排制限（股の開きが悪い）

・歩いている時に跛行が見られる

・成人後に股関節痛や変形性股関節症に移行しやすい

以前は出生数の2％を占める発生率でしたが、近年は1/10程度まで減少しています。

しかし、成人後に股関節痛や変形性股関節症に移行しやすい代表的な運動器疾患と言えるので、既往歴が無いかご両親や病院の先生に確認することをおすすめします。

先天性股関節脱臼の特徴的な歩き方

先天性股関節脱臼の方は痛みがない方と比較して、特徴的な歩き方が見受けられます。

それは「トレンデレンブルグ歩行」といいます。

※画像引用

https://kansetsu-life.com/comm_dict_pro/result.html?l=
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トレンデレンブルグ歩行の特徴は

・痛みがある方の足(患側)で片足立ちをすると反対側(健側)の骨盤が下がる

・中殿筋や大腿筋膜張筋などの骨盤周囲筋群の筋力や筋出力が不十分

「あの人なんか歩き方が少し傾いているんだよなぁ」という方がいれば、もしかしたら先天性股関節脱臼を患ったことがあるかもしれません。

先天性股関節脱臼の治療方針は２つ

脱臼の整復

乳児期に発見された場合は、ひも型の装具療法が主流です。

上手く整復されない場合は入院牽引療法が選択されますが、80％はひも型装具療法で整復可能です。

整復後に残った変形の矯正

先天性股関節脱臼になる＝臼蓋形成不全と言っても過言ではありません。そのため、健常者に比較して大腿骨頭の被覆率は低い傾向にあります。どういうことかと言うと、ちゃんと関節が嵌っていないと言うことです。できれば就学前まで、担当の先生と相談し経過観察を行い、場合によっては骨盤回転骨切り術という手術の選択も出てきます。そうすると、変形性股関節症に移行するリスクを少しでも抑えることができます。

※臼蓋形成不全について興味がある方はこちらをチェック