フレイル(Frailty)は、加齢に伴う身体的・精神的な脆弱性が増す状態をいいます。主に高齢者に見られる現象で、少しの健康問題でも回復が難しくなり、独立した生活を維持することが難しくなるリスクが高まります。フレイルは、単に老化ではなく、多くの因子が組み合わさって起こる複雑な状態です。超高齢化社会を迎えている中、少しでも、ご自身の体で楽しい生活を送る為に、お役に立てていただければと思います。
フレイルの原因
フレイルの原因は多岐にわたりますが、主なものには以下があります:
- 身体活動の低下:運動不足は筋力低下や心血管系の機能低下を引き起こし、フレイルのリスクが高くなります。
- 栄養不良:十分な栄養素の摂取がなされない場合、身体の機能は衰えやすくなります。
- 慢性疾患:糖尿病や心疾患などの慢性的な健康問題は、フレイルを引き起こす可能性があります。
- 社会的孤立:社会とのつながりが少ないと、心理的ストレスが増大し、フレイルのリスクが高まります。
予防方法
フレイルの予防には、生活習慣の改善がとても重要です:
- 適度な運動:筋力トレーニングや有酸素運動を定期的に行うことで、筋力と心肺機能を保つことができます。
- バランスの取れた食事:必要な栄養素をしっかりと摂取し、栄養バランスを整えることがとても大切です。
- 社会参加:趣味の活動や地域の集まりに参加することで、社会的なつながりを保ち、精神的健康を維持します。
- 定期的な健康チェック:慢性疾患の早期発見と管理には、定期的な健康診断が有効です。
改善方法
フレイルが進行した場合でも、以下の方法で改善することが可能です。
- 個別の運動プログラム:専門家の指導のもと、個々の状態に合わせた運動プログラムを実施します。
- 栄養指導:栄養士による個別の食事プランを立て、栄養状態の改善を目指します。
- 社会参加の促進:地域の支援プログラムを利用するなどして、社会的なサポートを受けることが重要です。
参考文献
- Fried, L.P., Tangen, C.M., Walston, J., et al. (2001). Frailty in older adults: evidence for a phenotype. Journals of Gerontology Series A: Biological Sciences and Medical Sciences, 56
コラム執筆・監修者
合同会社 Rerise
つくし鍼灸整骨院
代表取締役 東 智博
厚生労働大臣認定 柔道整復師 鍼灸師 専科教員
経歴
墨田区内整骨院勤務14年
2019年7月 台東区北上野につくし鍼灸整骨院開院