足がつるってどういうこと?
「うわっ!足がつった!」
夜中に突然ふくらはぎがピキーンと痛くなって、目が覚めたことはありませんか?
この「足がつる」状態を医学的には「こむら返り」といいます。
また、似たような症状で「筋肉がけいれんする」と言うこともありますが、実はこれらは密接に関係しています。
今回は、小学生から高齢の方までわかりやすく「こむら返り」や「筋肉のけいれん」が起こる原因と、予防・対処法について詳しくご紹介いたします。
結論
こむら返りや筋肉のけいれんは、主に「筋肉の疲れ」「水分・ミネラル不足」「急な運動」などによって起こります。
予防するには、日ごろからバランスのとれた食事と水分補給、適度な運動とストレッチがとても大切です。
なぜ筋肉が勝手に縮むの?
筋肉は、私たちが動こうとしたときに「脳」からの電気信号によって伸びたり縮んだりします。
でも何らかの理由でこの信号がうまく伝わらなくなると、筋肉が急にギューッと縮んでしまい、戻れなくなることがあります。これが「けいれん」や「こむら返り」です。
よくある原因は以下のようなものです:
- 筋肉の疲れ
運動や立ち仕事で筋肉が疲れていると、神経と筋肉の連携が乱れ、けいれんを起こしやすくなります。
- 水分・電解質(ミネラル)不足
汗をかいたあとや、水分をあまりとっていないと、体内の「ナトリウム」「カリウム」「マグネシウム」「カルシウム」などのミネラルが不足します。これが筋肉のコントロールを乱す原因になります。
- 血流の悪化
寒い場所で体が冷えていたり、同じ姿勢で長時間いると、筋肉への血流が悪くなります。これも痙攣を起こす原因です。
- 病気や薬の副作用
糖尿病や腎臓病、妊娠中のホルモン変化、一部の薬(利尿薬や降圧薬など)でもこむら返りが起きやすくなります。
こんなときに起こりやすい!
夜寝ているとき
ふくらはぎの筋肉が冷えていたり、日中の疲れが残っていたりすると、寝ている間にけいれんが起きやすくなります。
運動中・運動後
サッカーやマラソンなど、急にたくさん動いたあとや、準備運動が足りなかったときに、太ももやふくらはぎがつることがあります。
高齢者の場合
年齢とともに筋肉が弱くなったり、血流が悪くなったり、水分の摂取が減ったりして、こむら返りが増える傾向にあります。
対策と予防方法
日頃からできる予防法
- 水分とミネラルをしっかり補給しよう
→こまめな水分補給(夏は特に注意)、スポーツドリンクや麦茶、ミネラル豊富な食事を心がけましょう。 - ストレッチを習慣に
→寝る前にふくらはぎや太もものストレッチをすると効果的です。ポイントは「無理をせず気持ちよく伸ばす」こと。 - 筋肉を温める
→冷えやすい季節は、足元を冷やさないようにしましょう。湯船に浸かることもおすすめです。 - バランスの良い食事をとる
→カルシウム(牛乳、小魚)、マグネシウム(納豆、海藻)、カリウム(バナナ、芋類)などを意識的にとりましょう。
起こってしまったときの対処法
- ストレッチでゆっくり伸ばす
足の指を手でつかんで、ゆっくりと体のほうに引き寄せてみましょう。
- やさしくマッサージ
痛みが引いたあとに、優しくもみほぐしてあげると血流がよくなります。 - 立ち上がれそうなら歩いてみる
歩くことで筋肉の緊張が和らぐことがあります。
まとめ
こむら返りや筋肉のけいれんは誰にでも起こる身近なトラブルですが、原因を知っておくことで予防や対処が可能です。水分とミネラルの補給、ストレッチ、体を冷やさないことがとても大切です。毎日のちょっとしたケアで、「足がつる!」の悩みから解放されましょう。
おわりに
こむら返りが頻繁に起こる場合は、体の不調のサインかもしれません。整形外科や整体院、鍼灸整骨院などで専門的なケアを受けることも大切です。
日々の生活の中で、自分の体を大切にすることが、健康への第一歩です。
参考文献
- 小川宏(2019)『筋肉のしくみとはたらき図鑑』誠文堂新光社
- 日本理学療法士協会(2022)「筋けいれんの原因と対応」
- 日本整形外科学会HP(https://www.joa.or.jp)
- Medline Plus “Muscle cramps.” U.S. National Library of Medicine
コラム執筆・監修者
合同会社 Rerise
つくし鍼灸整骨院
代表取締役 東 智博
・厚生労働大臣認定資格
柔道整復師 鍼灸師 専科教員
・経歴
墨田区内整骨院勤務14年
2019年7月 台東区北上野につくし鍼灸整骨院を開院