顎関節症(TMJ症候群)は、口を開け閉めするための主要な関節、顎関節に疾患が生じる状態を指します。患者は、顎の痛み、食事や話す際のストレス、顔の痛み、耳鳴り、頭痛など、さまざまな不快な症状を経験することがあります。意外な所では、歌を歌う、あくびなどにも影響があります。この記事では、顎関節症の原因となる要素、それが生活へ及ぼす影響、そしてその治療法や予防策について説明します。
【顎関節症の原因】
顎関節症の一般的な原因には、顎の負傷、歯ぎしりや口を強く閉じる(クレンチング)などの行為、関節疾患(関節リウマチや骨粗鬆症など)、またはストレスによる筋肉の緊張があります。
【顎関節症の生活への影響】
顎関節症の影響は広範であり、食事の摂取からコミュニケーション、さらには睡眠の質までを含みます。痛みと不快感は、日常の基本的な活動を困難にし、生活の質を著しく低下させる可能性があります。特に、夜間の歯ぎしりやクレンチングにより、患者は不安や緊張を感じ、質の良い睡眠を阻害されることがあります。
【咀嚼の大切さ】
・食べたものを小さくする
・消化促進
・認知症予防
・満腹中枢の刺激
・殺菌(噛むことで菌を殺す)
顎関節が悪くなり、咀嚼ができないことで栄養不足や睡眠不足となりストレスが溜まり、肩こり・首の痛みにも繋がったりもします。
【顎関節症の分類】
顎関節症は、その症状の性質と持続期間に基づいて分類されることがあります。以下にその主な分類を示します
- 筋性顎関節症:これは、顎周囲の筋肉の緊張や疲労によって引き起こされます。主な原因としては、ストレス、不適切な姿勢、長時間のパソコン作業、不適切な口腔習慣(例えば歯ぎしり)などが挙げられます。
- 内部変位性顎関節症:これは、顎関節の内部構造(特に関節円板)が正しい位置からずれてしまうことによって起こります。このずれが原因で、顎の動きが制限されたり、痛みが生じたりします。
- 変形性顎関節症:これは関節自体の損傷、特に関節面の変形によって起こります。主な原因としては、年齢、遺伝、関節リウマチなどがあります。
それぞれの顎関節症のタイプは、異なる治療法や対策が必要となります。そのため、正確な診断が治療の成果に直接影響を及ぼします。
【顎関節症の治療と対策】
幸いなことに、多くの治療法と予防策が顎関節症の患者の援助になります。治療法は個々の症状と原因により異なりますが、一般的な方法には以下のものが含まれます。
- 薬物療法:痛みや炎症を緩和するための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、筋肉リラクサント、抗うつ薬など。
- 物理療法:顎の動きを改善し、関節の柔軟性を高め、痛みを軽減するための練習やストレッチング。
- 手技療法やストレッチ:顎関節周辺の筋肉を緩め、血流の改善。
- 口腔装具(スプリント療法):歯ぎしりやクレンチングを防ぐためのナイトガードなど。
- カウンセリングまたは心理療法:ストレス管理技術を教え、ストレスが顎の緊張や痛みに対する影響を減らす。
【顎関節症へのストレッチ】
ストレッチングは、顎関節症の症状を軽減するのに役立ちます。以下に簡単で効果的なストレッチングをいくつか紹介します。
- 顎のストレッチ:口をゆっくりと開け、できるだけ広げてみます。数秒間保持した後、ゆっくりと閉じます。これを一日に数回、痛みがない範囲で行ってみてください。
- 横方向のストレッチ:口を閉じたまま、顎をゆっくりと左右に動かします。これも痛みがない範囲で行ってみてください。
- ネックストレッチ:首をゆっくりと左右に傾け、耳が肩に近づくようにします。数秒間保持した後、反対側にも行ってみてください。
顎関節症は厄介な疾患ですが、理解と適切な管理により、その影響を最小限に抑えることが可能です。これらの情報があなたの健康と幸せに寄与することを願っています。また、症状が持続する場合や悪化する場合は、必ず専門医にご相談ください。
【整骨院や整体院での改善方法】
一般的にわれわれのような柔道整復師や整体師が顎関節症の患者に対して以下のようなアプローチをしていきます。
- 筋肉のリリースとストレッチ:顎関節の周りの筋肉が緊張している場合、整体師は特定の技術を用いて筋肉をリリース(つまり、緩和)し、ストレッチを提供します。これにより、筋肉の柔軟性が向上し、痛みが軽減されます。
- エルゴノミクスの指導:不適切な姿勢や動作が顎関節症の一因となる場合、整体師は正しい姿勢や日常生活での動作方法について指導します。これにより、新たな痛みの発生を予防し、既存の痛みの悪化を防ぎます。
- 自宅でのエクササイズプログラム:患者自身が自宅でできるエクササイズプログラムを提供します。これにより、治療の効果を持続させ、再発を防ぐことが可能となります。
- ストレス管理:ストレスが顎関節症の一因となる場合、整体師はストレス管理技術を教えることがあります。リラクゼーションテクニックや深呼吸、瞑想などの方法があります。
以上の方法を組み合わせることで、顎関節症の症状を軽減し、日常生活の質を改善することが期待できます。それぞれの患者には、その症状や生活習慣に合わせた個別の治療計画が必要となります。また、症状が重度であったり、治療が効果を示さない場合には、専門的な医療機関を受診することを推奨します。
歯の嚙み合わせや歯並びから、顎関節症を引き起こす場合もありえます。その場合は、整骨院や整体院の先生や歯医者さんの先生とうまく連携と取りながら治療を進める事が、一日もでも早い回復を見込めます。
つくし鍼灸整骨院での改善方法
当院に来て頂いている多くの患者さんは、病院で痛み止めの薬や湿布・ブロック注射・リハビリを受ける為に通っているけど、なかなか改善しない方。
このような方々は、病院でレントゲンやCT・MRIの検査を受け、原因がわからない、歳のせい、治らないと訴える方々がほとんどです。
レントゲンやMRIは、骨や関節に問題がないかを診ることが目的になります。日常生活動作における筋肉や関節の動きや歪み、身体の使い方などを診ることはできません。
当院では、カウンセリングによる過去の怪我、視診や触診による歩き姿・関節の動きや筋肉の状態などを把握し、痛みやしびれの本当の原因を説明し納得して頂いた上で施術を行います。その際に、具体的な治療期間や治療回数をお伝えさせて頂きます。
その結果、患者さんのゴールが明確になった状態で施術を受けていただく事ができます。
顎関節症の事はもちろん、そのこと以外もご相談ください。
お問い合わせはこちらから。
肩こりについてはこちらで詳しく書いてありますのでご覧ください。
コラム監修・執筆者
合同会社 Rerise
つくし鍼灸整骨院
代表取締役 東 智博
厚生労働大臣認定 柔道整復師 鍼灸師 専科教員
経歴
墨田区内整骨院勤務14年
2019年7月 台東区北上野につくし鍼灸整骨院を開院